**郷地東町付近の自然豊かなお散歩コース紹介**

『国営昭和記念公園』

~2月の花ウォッチング・・・セツブンソウ、ロウバイ、ウメが見頃です~

昭和記念公園と言えば、チューリップやコスモスなどの花がテレビでも紹介される、全国的に有名な公園です。青梅線西立川駅のすぐ北側にある西立川口が、当第1ブロックからは一番近い入口。入園料はかかりますが(中学生まで無料、15歳~64歳まで450円、65歳以上210円。頻繁に行くなら年間パスポートがお得)、園内は自然豊かで、何かしら花が咲いているため、自然に浸りたい人や花好きな人にとっては入園料も苦にならない、絶好の散歩コースです。

花好きな私にとりましても、ここは欠かせないお散歩コース。長年通って園内の花の見所は把握しているつもりですが、それでも毎回新しい発見があり、自然の風景も人工的に作られる花壇も姿が変わり、飽きることはありません。花が少なく寒い冬場は足が遠のきますが、1月から2月にかけては、可憐なセツブンソウやロウバイが咲きますので、毎年見に行っています。今年は丁度節分の2月3日に行ってみました。花ウォッチングの時は、入り口に置いてある、「今咲いている花」のパンフレットを貰い、それをチェックしながら回ります。

1月27日に発行された資料では、ウメ(早咲き系)、マンリョウ(実)、ソシンロウバイ、セツブンソウ、ブッシュカン(実)でした。マンリョウ以外は、既に場所は把握済みなので、他にも咲いている花を見つけるため、池に沿って東回りで花ウォッチングに出発。立川口からの合流点で、まず見つけたのは、黒い花のクリスマスローズ。この花は種類も多く、園内いたる所にありますが、他の所は殆どまだ蕾が出始めたばかりなのに、ここはでもう満開状態で咲いていました。この花は花期が長いので4~5月くらいまで見られます。

ふれあい橋から細い道を花木園に向かうと、梅園ではもう早咲きの紅梅・白梅が咲いていて、良い香りを漂わせていました。ここではニホンスイセン、フクジュソウ、シナマンサクの花も発見。フクジュソウは梅の木の根元にちらほら咲いていて、シナマンサクは枝が枯葉に覆われているので、花が咲いているようには見えず、どちらもうっかりすると見過ごしてしまうかもしれません。私が知っている限りではシナマンサクはここに1本あるだけで、福寿草もここと少し先の東屋の南側にあるくらいです。

 

花木園には、ニホンスイセンや、蕾が膨らみ始めたミツマタの木もありました。

また、花木園内のボタン園の北側には、おそらくシャクヤクと思われる花が新たに植えられた花壇があり、かなり色々な種類があったので、これは花の時期(5月頃)が楽しみです。そういえば、ボタンと言えば、殆どの人は日本庭園に行って見るようですが、この花木園にもたくさん植えられていて、私は必ずこちらも見に来ます。でもいつ来てもこちらは人がまばらです。写真のような感じで植えられているので、ちょっと周囲の風景が殺風景なのか、余り近くにも寄れず、写真を撮ってもインスタ映えがしないせい?でしょうか…?

【写真】シャクヤクと思われる花が、新たに植えられていた花壇。ボタンは枝先に花が咲くため、地上に枝が出ています。

花木園を出て、ちょっとハーブ園に寄り道。途中、パンフレットにあった「シモバシラ」という看板を発見し、近寄ってみましたが、ただの枯れ草状態で、写真のように氷に包まれた枝は見られませんでした。これは早朝でもない限りはちょっと無理?

 

ハーブ園はボランティアの人が手入れをしている所で、いつもは何かしら花が咲いているので時間があれば寄ってみますが、今の時期はビオラやハボタンなどが植えられていたものの、他に咲いていたのはローズマリーだけでした。それだけに普段は全く見過ごしていたローズマリーの花ですが、改めてじっくり見ると結構綺麗で形が面白い可愛らしい花です。私の記憶ではこの花は、年間通していつも咲いているような気がします。葉っぱはちょっとつまんでもむと、とっても良い香り。

途中、木陰にひっそりと咲いていたスノードロップや、サザンカ、ツバキなども見つけながら、みんなの原っぱでランチタイム。造成中の花畑のそばのベンチでおむすびを食べていると、花壇の中では、カラス、スズメ、セグロセキレイ、キビタキ、シジュウカラ、ツグミなど、沢山の野鳥が集まり、餌をついばんでいました。ツグミなどは人を警戒することもなくすぐ近くまで来たので、写真を撮らせてもらいました。

 

  

お天気が良いのに、ウイークデーなので、いつもは賑わっているみんなの原っぱも、人影はまばら。ここでは安心してマスクを外し、おむすびをほおばり、深呼吸と日光浴が出来ます。

一休みした後は、いよいよセツブンソウがある砂川口ゲート方面へ。途中の花の丘は、現在全面がシートに覆われ、一部シートが掛かっていない所には、ポピーの芽が沢山出ていました。シートは多分、この芽を保護するための寒さ除けと思われます。花時の4、5月頃にはこの丘が満開のポピーで彩られることでしょう。

丘の下の道をぐるっと回り、砂川口に向かうと、右手に休憩所の建物が見えてきます。その周辺にセツブンソウやロウバイ、ウメが咲いています。ロウバイは、花木園、バーべキュー会場、花の丘の入り口辺りなど、あちこちで見られますが、一番たくさん咲いているのはこの周辺です。セツブンソウは、直径1㎝ほどの地味な白い小さな花で、地表に点々と咲くので、うっかりすると見過ごしてしまいます。見る時は、腰をかがめるかしゃがむかして、更に顔を近づけないと良く見えませんので、ちょっと大変。写真を撮る時も、花がうつむき加減なので、カメラを地面につけるようにして撮るため、撮影も大変。しかし目で見ただけでは白い地味な花も、写真に撮って拡大して見ると、改めてその美しさが分かります。また、この辺りには春を彩るレンギョウ、雪柳、ボケ、しだれ桜や数種の桜、菜の花畑などがあり、3月下旬から4月初め頃は、色とりどりの花で賑わう場所でもあります。

【写真】ソシンロウバイ(蠟のように半透明の花びらが特徴で、良い香りもします。休憩所裏の丘はロウバイの林です)

   

【写真】セツブンソウ(彼岸花同様、節分の頃に咲くのでこの名前が)

   

パンフレットにあった、ウメ、ロウバイ、セツブンソウを見つけて、残りはマンリョウとブッシュカン。ブッシュカンは盆栽園にあり、マンリョウもその辺りにありそうなので、今度はこもれびの里を通ってそこへ向かうことに。こもれびの里は、昔の田園風景がそのまま再現されている所で、かやぶき屋根の家、水車小屋、田んぼに畑、そして小川には春になるとオタマジャクシが泳ぐ姿も見られます。かやぶき屋根の家では四季折々の日本の伝統行事に関する展示が行なわれ、私が訪れた時は節分関係のものが展示されていて、翌日からはひな祭り関連の展示になるということでした。ボランティアの人たちが案内をしてくれますので、時間があれば色々質問して話を聞くのも面白いと思います。ここでもウメや、ハナモモ、ミソハギ、ハス、ヒガンバナなど色々な花が見られますが、今の時期は数輪咲いていたオウバイと、咲き始めた菜の花を見掛けました。

  

盆栽園は日本庭園の入り口を入って道なりに進むと、茶室の先の左手にあります。その入り口付近で、つやつやと宝石のように輝く赤い実を沢山つけたマンリョウを発見。すぐ目に付くのに、よく鳥に食べられないで残っていたものです。ラッキー!これで残りはあと一つ。

いよいよ最後はブッシュカン。初めて見る方は、「なんじゃ、これは!?」と、びっくりされるのでは?これは私が説明するより、看板を見て頂きましょう。

 

毎年この時期には、盆栽園に展示されているようで、私は既に数年前に対面済み。丸い実をしたミカンの仲間なのに、この形の異様さは強烈な印象でした。この盆栽園も季節ごとに色々な種類の花や木の盆栽が展示されます。とにかく見事な盆栽が多いので、自分で盆栽は出来なくても、草木に興味がある人にとっては、一見の価値がある所です。

帰途はいつもチューリップが植えられている場所の、西側の通路を通り西立川口へ向かいましたが、途中ロープが張られた花壇の中にラッパ水仙が咲いていました。ニホンスイセンは1~2月が開花期ですが、ラッパ水仙は3月末から4月初めのはず。たまには気が早いのもあるのかな?そういえば、うちの庭のニホンスイセンは例年は1月に入ってからポチポチと咲き始めるのですが、既に12月中頃から咲き始め、異常に早かったので咲き終わるのも早いかと思っていたら、今もまだ次々と蕾を出して咲き続けています。4月咲きのツバキやツツジも12月頃に狂い咲きしていましたし、これって気象異変の影響でしょうか…?

さて今回は、記念公園の冬の花たちをご紹介させて頂きました。これから先も次々と色々な花が楽しめますので、今後も、その他の園内の様々な情報を織り交ぜながら、このコーナーでご紹介させて頂きたいと思います。

気が向いた方はぶらりとお散歩に出かけてくださるも良し、行きたくても出かけられない方は、せめてこのコーナーを見てお散歩に行ったつもりで楽しんでください。(清水和子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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