10/26 平成23年度自治連役員研修会実施
平成23年10月26日(水)、朝7時45分に市役所に集い、北川市長から「原子力災害の際の正しい知識と情報を学んできてほしい」との挨拶をいただき、8時にバスで出発しました。
今回は、茨城県ひたちなか市にあります『原子力緊急時支援・研修センター(オフサイトセンター)』です。この研修は例年実施し、22年度は、岩手県岩泉町に視察交流の研修。21年度はJAXT調布航空宇宙センターと新設の立川拘置所を視察しました。
11時過ぎに現地に到着し、見学が始まりました。この施設には独立行政法人 日本原子力研究開発機構「原子力緊急時支援・研修センター」と「茨城県原子力オフサイトセンター」と「茨城県環境放射線監視センター」が併設され、「原子力緊急時支援・研修センター」はここと福井の2箇所、「原子力オフサイトセンター」と「環境放射線監視センター」は全国の原子力施設の近隣に22箇所あるそうです。
3.11の支援作業が続いている為、今回の施設内見学は”原子力オフサイトセンター”のみとなり、他は、パンフレットでの説明と質疑応答となりました。
まず、原子力オフサイトセンターの見学を実施しました。原子力災害が発生時には、国の行政機関や地元の自治体などの関係機関及び専門家が、一体となって応急対策を実施する必要があるため、センターの2階には情報を共有するための設備や7つの機能班が設置されており、詳細の説明を受けました。
次は、原子力緊急時の体制で「原子力災害合同対策協議会」が開催される会議室に入り実際、われわれもテーブルに座り、会議室の前面のスクリーンに写る内容等の説明を受け、情報を共有しながら連携して迅速かつ的確な応急対策が行なわれる仕組みを学ぶことが出来ました。その後、緊急事態対応方針決定会議を行なう部屋でも、スクリーンに各種画像を出していただき対応を教えていただきました。
1階の会議室に移動し、「茨城県環境放射線監視センター」と「原子力緊急時支援・研修センター」は、担当者よりパンフレットをもとに説明を受けました。
「茨城県環境放射線監視センター」は安全と安心の為に見えない放射線を『視(み)』ていますとのことで、原子力施設周辺の住民の健康と安全を、常時監視している模様を具体的に教えていただきました。監視センターの建物内の説明、周辺地域に配置されている環境放射線常時監視テレメータシステムや、農畜産物・海産物・飲水・土壌・大気・海洋・原子力施設排水などの調査対象の紹介と測定方法、期間等の公表までの手順の詳細の説明がありました。
また、「原子力緊急時支援・研修センター」は、福島対応でフル回転している模様の紹介がありました。
説明ごとに、参加した自治連役員からの質問を受けていただき、説明の方から丁寧ね回答をいただきました。
原子力防災についても、もしもに備えて“正しい情報・知識”が大事です。機動性と情報、そして技術力で原子力防災活動を支えている三つの施設を視察でき、3.11東日本大震災と福島原発事故を経験した今、これまで“万一おきたらどうするの?”との対策で整えてきたことを、概要を今回、短時間でしたが視察研修を実施し学ぶことが出来たと思います。また、今後の自治会活動に活かして行きたいと思いました。
<参考>
●日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」と略します。)は、災害対策基本法、武力攻撃事態対処法に基づく指定公共機関であり、原子力や放射線に係る災害が発生した場合、国や地方公共団体などからの要請に応じ、各種の技術支援を行う役割を担っています。
●1999年9月30日に茨城県東海村にある(株)ジェー・シー・オーの核燃料加工施設で発生した臨界事故時の反省や教訓を踏まえ、国は応急対策の検討を行う拠点施設としてオフサイトセンターを設置しました。また、原子力機構は、原子力防災活動を技術的に支援するための施設として原子力緊急時支援・研修センター(以下「支援・研修センター」と略します。)を2002年3月に設置しました。
●支援・研修センターは、原子力災害時に専門家の派遣、資機材の提供、防護対策のための技術的助言、技術情報の提供などの実効ある支援活動を行うこととしており、この度の東京電力福島第一原子力発電所事故に対しても、3月11日から活動を進めています。また、これらの活動には日頃からの備えが必要です。そのために、対応能力強化策として原子力緊急時に技術支援活動に従事する要員の研修・訓練を行う一方、国、地方公共団体、その他防災関係機関で原子力災害対応に携わる方々を対象とした実践的な研修・訓練も行っています。
<支援・研修センターの概要紹介>
支援・研修センターは、万が一の原子力施設での緊急事態の際に、その活動拠点となる全国22ヶ所のオフサイトセンターに対し、支援活動を行うため、茨城県ひたちなか市と福井県敦賀市に整備されています。
●●支援・研修センターの活動概要●●
支援・研修センターの活動は、『緊急時の活動』と『平常時の活動』の2つに分けられます。
■緊急時の活動
緊急時の主な活動は、事故情報を多方面から効率的に素早く収集し、整理し、それらを解析・評価することにより、原子力防災の拠点となるオフサイトセンターや事業者に対して適切な支援を行うことです。また、国や自治体の要請を受け、専門家を現地に派遣するとともに、必要に応じて特殊な資機材を提供します。
緊急時の活動支援・研修センターは、オフサイトセンターに対し、原子力災害時の技術的支援活動を実施します。このため緊急時には、オフサイトセンターに組織される「原子力災害合同対策協議会」に対し、①技術的助言、②情報の提供 を行います。
また、防災活動を効果的に進めるため、①専門家の派遣・防災資機材の提供・防災要員の派遣、②緊急時モニタリングへの支援 などを行います。
また、特殊資機材を用いた ①救護所などにおける住民の方の身体汚染の測定(移動式体表面測定車、移動式全身カウンタ車)、②移動式現場指揮車の現地派遣、③モニタリング車の現地派遣 のような活動を行います。
支援・研修センターには、緊急時に事故情報を評価・解析するためのシステム、オフサイトセンターなどの関係機関と情報をやりとりするシステム、住民の方からの技術的な問い合せに対応するシステム、報道内容の確認を行うシステムなどが整備されています。また、関係自治体に、モニタリングの専門家を派遣し、モニタリング計画の立案、外部被ばく・内部被ばくの測定と評価、放射性物質濃度測定を行います。
■平常時の活動
平常時の主な活動として、国、道府県、市町村、警察、消防および事業者などの関係者を対象として、原子力防災に関する研修を行います。また、原子力防災に関する調査研究を行うとともに、内外の原子力防災に関する情報などを収集し、必要なデータを迅速に提供できるようデータベースの整備を行っています